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「レクス……様っ!」
突然現れたレクスを危うく呼び捨てにするところだった。
「そんなに驚かなくてもいいだろう?」
「おとーしゃま、だっこ!」
「だっこ!」
レクスは子供たちを抱き上げる。
――心臓が飛び出るかと思った!
レクスのことを考えてなかったら、きっとここまで驚かなかった。
最近の私はおかしい。
レクスの【魅了】を解くことばかり考えているような気がする。
長期間、かけられていた【魅了】は簡単に解けないとわかっているのに。
「あら、皇妃様もこちらにご用事があったのですね」
「クリスティナ……」
レクスと一緒に図書室へやってきたのか、クリスティナもいた。
「皇帝陛下は皇妃様がここにいると知っていて、会いに来たんですよね!」
エルナンドが満面の笑顔で言ったけど、レクスは迷惑そうな顔をした。
――図書室に用事があっただけじゃないのかしら?
「恥ずかしがり屋ですからねぇ~」
「エルナンド。お前はしゃべりすぎだ」
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