15 令嬢のお願い

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「レクス……様っ!」  突然現れたレクスを危うく呼び捨てにするところだった。 「そんなに驚かなくてもいいだろう?」 「おとーしゃま、だっこ!」 「だっこ!」  レクスは子供たちを抱き上げる。  ――心臓が飛び出るかと思った!  レクスのことを考えてなかったら、きっとここまで驚かなかった。  最近の私はおかしい。  レクスの【魅了】を解くことばかり考えているような気がする。  長期間、かけられていた【魅了】は簡単に解けないとわかっているのに。   「あら、皇妃様もこちらにご用事があったのですね」 「クリスティナ……」  レクスと一緒に図書室へやってきたのか、クリスティナもいた。 「皇帝陛下は皇妃様がここにいると知っていて、会いに来たんですよね!」  エルナンドが満面の笑顔で言ったけど、レクスは迷惑そうな顔をした。    ――図書室に用事があっただけじゃないのかしら? 「恥ずかしがり屋ですからねぇ~」 「エルナンド。お前はしゃべりすぎだ」
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