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「誤解されやすい皇帝陛下の代わりに、私が説明しているだけです。皇帝の補佐官ですので」
得意げにエルナンドは言ったけど、クリスティナは暗い表情をしていた。
――また【魅了】魔法を使わなければいいけど。
レクスにかけた守護魔法に気づかずに、また【魅了】を使ったら、クリスティナはふたたび傷を負うだろう。
「皇帝陛下は皇妃様に会いたかったのですか?」
悲しげな表情を浮かべたクリスティナは、恋に苦しむ乙女そのものだった。
その姿は支えてあげたいと思わせ、【魅了】されてなくても心が揺らぐ。
「会いたくないなら、ここへはこない」
レクスは頭痛がするのか、額に汗がにじんでいる。
「そうですよね。皇妃様は皇帝陛下の大切な方ですもの……」
目を潤ませ、泣きそうになるクリスティナ。
気まずい顔をしているエルナンドは、クリスティナの恋の相談を受けているらしく、すべて察しているようだ。
――エルナンドはいい人だけど、気をつけないと。クリスティナに【魅了】されて、好意を持ってるはずだし。
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