15 令嬢のお願い

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 先日、筋肉を眺めるマニアックなデートをした二人。  作られた好意とはいえ、クリスティナはエルナンドの好意を利用できる立場だ。    ――このまま、クリスティナを皇宮に滞在させるのは危険だわ。  レクスの頭痛を減らし、クリスティナの影響を薄めて【魅了】を解く。  それには、クリスティナを遠ざける必要がある。  すでに、クリスティナの傷は綺麗に消え、皇宮に滞在する理由もなくなった。  傷が癒えても、クリスティナが皇宮にいるのは、レクスとエルナンドが滞在を許しているからだ。 「クリスティナ。そろそろ伯爵家へ戻られたほうがよろしいのではなくて? ご両親も待っていることでしょう」 「皇妃様は私がお邪魔ですか?」 「そういうわけではないけど……」  クリスティナはレクスを見つめる。  滞在を引き伸ばすつもりだとわかった。   「皇帝陛下。私は皇妃様のお友達になりたいと思ってます。ですから、私を皇妃様の話し相手として、皇宮に残していただけませんか?」  なにを言い出すのか、クリスティナはレクスに滞在の延長――それも、期限なしの滞在を要求したのだった。
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