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先日、筋肉を眺めるマニアックなデートをした二人。
作られた好意とはいえ、クリスティナはエルナンドの好意を利用できる立場だ。
――このまま、クリスティナを皇宮に滞在させるのは危険だわ。
レクスの頭痛を減らし、クリスティナの影響を薄めて【魅了】を解く。
それには、クリスティナを遠ざける必要がある。
すでに、クリスティナの傷は綺麗に消え、皇宮に滞在する理由もなくなった。
傷が癒えても、クリスティナが皇宮にいるのは、レクスとエルナンドが滞在を許しているからだ。
「クリスティナ。そろそろ伯爵家へ戻られたほうがよろしいのではなくて? ご両親も待っていることでしょう」
「皇妃様は私がお邪魔ですか?」
「そういうわけではないけど……」
クリスティナはレクスを見つめる。
滞在を引き伸ばすつもりだとわかった。
「皇帝陛下。私は皇妃様のお友達になりたいと思ってます。ですから、私を皇妃様の話し相手として、皇宮に残していただけませんか?」
なにを言い出すのか、クリスティナはレクスに滞在の延長――それも、期限なしの滞在を要求したのだった。
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