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――クリスティナと私が友達になる?
そもそも、私の話し相手と言うけれど、私とクリスティナの関係は友人関係からほど遠い。
レクスを追いかけている彼女が、純粋な気持ちで私と友人になろうと言っているのではないとわかる。
クリスティナの目的がレクスであることは明白だ。
「今はユリアナの話し相手を置くつもりはない。皇宮の警備のこともある」
「警備ですか?」
「ユリアナに毒を盛っていた人間がいる」
私を守ると約束したレクスは、クリスティナの申し出を断った。
「もしかして、皇帝陛下は私を疑っていらっしゃるのですか?」
「例外はない。皇宮に出入りする者、全員を調べさせている」
出入りした人間の中に、クリスティナも含まれる。
「そんな! 私が犯人ではありません!」
クリスティナは悲痛な声をあげた。
――レクスはすごい精神力を持っているわね。あれだけ【魅了】魔法を使われても、耐えるなんて。
そう思ったのは、きっと私だけじゃない。
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