16 クリスティナの駆け引き

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 クリスティナは【魅了】魔法の目標をエルナンドに変えた。  なかなか陥落しないレクスをいったん諦め、まずは周りを固め、自分の味方を増やすつもりのようだ。  エルナンドにレクスを説得させる作戦らしい。 「まほー、きらきら!」 「わるい! きらきら!」  まだ幼く、魔力が安定していないアーレントとフィンセントは、魔法が見えてしまう。  魔力が制御できず、外に捨てている状態だ。  成長すれば、体内に魔力がとどまり、多くの魔法を使うことができるようになる。 「えるぅ……」 「えりゅー」  悔しそうに二人が手足をバタバタさせている。  残念だけど、エルナンドは【魅了】されてしまった。 「レクス様。クリスティナ様は皇宮の人々から、とても人気があります。そんなクリスティナ様が、皇妃様を毒殺する理由はありません」 「そうか? 兄は俺より人気があったが、俺を殺そうとしたぞ。ああ、父もか」  ――う、うわぁ。私が思ってたより、ずっと殺伐とした家族関係ね。  エルナンドは否定せず、苦笑した。   つまり、レクスの言葉が真実だということだ。
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