1237人が本棚に入れています
本棚に追加
クリスティナは【魅了】魔法の目標をエルナンドに変えた。
なかなか陥落しないレクスをいったん諦め、まずは周りを固め、自分の味方を増やすつもりのようだ。
エルナンドにレクスを説得させる作戦らしい。
「まほー、きらきら!」
「わるい! きらきら!」
まだ幼く、魔力が安定していないアーレントとフィンセントは、魔法が見えてしまう。
魔力が制御できず、外に捨てている状態だ。
成長すれば、体内に魔力がとどまり、多くの魔法を使うことができるようになる。
「えるぅ……」
「えりゅー」
悔しそうに二人が手足をバタバタさせている。
残念だけど、エルナンドは【魅了】されてしまった。
「レクス様。クリスティナ様は皇宮の人々から、とても人気があります。そんなクリスティナ様が、皇妃様を毒殺する理由はありません」
「そうか? 兄は俺より人気があったが、俺を殺そうとしたぞ。ああ、父もか」
――う、うわぁ。私が思ってたより、ずっと殺伐とした家族関係ね。
エルナンドは否定せず、苦笑した。
つまり、レクスの言葉が真実だということだ。
最初のコメントを投稿しよう!