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「よって、引き続き皇宮に滞在させるわけにはいかない」
「私を疑うなんてひどいです。親しい人のいない皇妃様のためを思って申し出たのにあんまりです!」
クリスティナは唇を噛みしめ、目に涙をためた。
「皇帝陛下。クリスティナ様の滞在をあと少しだけ引き延ばすのはどうでしょうか」
エルナンドの言葉に、レクスはため息をついた。
「そこまで皇宮に滞在したいか?」
「はい……。私はずっと皇帝陛下のおそばにいたいです」
それは、クリスティナの愛の告白だった。
レクスたちは見つめ合う――そして、冷たかったレクスに恋心が芽生え、二人は恋仲になるという流れのはずが。
「あーれ、おとーしゃまといる!」
「おかーしゃまもっ!」
「いぬさんも、いっしょ」
「えるも!」
子供たちがすべて台無しにした。
いい雰囲気をぶち壊して大騒ぎする。
「おとーしゃま、だいしゅき」
「ふぃんも、しゅき!」
子供たちの言葉にレクスは気を取られ、その目はすでにクリスティナを見ていなかった。
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