17 寝室の護衛はいりません!

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 クリスティナの希望が通り、パーティーは舞踏会に決まった。  その代わり、パーティーが終わったなら、クリスティナは皇宮を去るのが条件だ。 「おとなしく去るかしら?」  だって、中身は魔女(私もだけど)。  簡単に諦めるとは思えないわ。  難しい顔で唸っていると、アーレントとフィンセントがクッションを手に、キリッとした顔で私を見ていた。 「あ、眠くなったのね? もう休みましょうか」 「ちあう。あーれ、きらきらやっちゅける!」  「ふぃんたち、まほー、ちゅよい!」 「それは駄目。もっと大きくなって、魔法がどういう時に使っていいものなのか、わかったら使うのよ。今は楽しいって思える時に使いましょうね」    油断も隙もない。  魔法を使っていいのは、今のところボール遊びまでである。 「さあ、二人とも眠る準備をするわよ」 「やー! ちゅよくなる!」 「ぽーんするぅ!」  体力があり余っている子供たちは、眠る気配がなく、クッションと枕を投げて遊びだした。  顔にクッションがぶつかりかけて、それを風魔法で受け止める。  ――いつもなら、ハンナがいるところ今日はいない。  休暇願いを出したハンナは、皇宮を出て実家に帰っており、まだ戻ってきていないのだ。 「ハンナ、早く帰ってきて!」  一人で子供たちの相手をするのは体力的につらい。   飛び交う枕とクッション。  風魔法で枕とクッションを操り、子供たちと遊んで体力を削る。  ご機嫌なのはいいけど、眠る気はさらさらないようだ。  魔法を使いながら。頭は別のことを考えていた。  もちろん、舞踏会のことである。
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