17 寝室の護衛はいりません!

4/11
前へ
/266ページ
次へ
 貴族たちは、グラーティア神聖国から嫁いだよそ者のユリアナより、ルスキニア帝国貴族出身のクリスティナに好意的である。  結局、クリスティナが妃になる未来は変えられないのかもしれない。  そう思っていると、部屋をノックする音が響いた。 「ユリアナ」  それはレクスの声だった。    ――ま、待って!? 侍女はなにも言ってなかったわよ?  レクスが来るなら、それなりの心の準備がいる。 「おとーしゃまぁ!」 「どあ、あけりゅ!」  アーレントとフィンセントが我先にと駆け出した。  二人は転びそうになりながら、扉まで行くと取っ手に手を伸ばす。 「う、うーん!」 「もうちゅこし!」  身長が足りずに、扉は開けられない。  しかたなく、ベッドから出て、私が扉を開けた。 「レクス様。どうなさいましたか?」    冷静を装ったけど、レクスの服装は軽装で、シャツははだけている。  ――肉体美を披露しなくていいのよ!  目をそらしたいのに、そらせない。 「用事があってきた」 「ご用事ですか? まあ、なんでしょう」
/266ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1242人が本棚に入れています
本棚に追加