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早く話を終わらせようとしたのに、アーレントとフィンセントがそうはさせない。
「あーれ、わあった!」
「ふぃんもぉー」
「おとーしゃま、いっちょにねる!」
「おかーしゃまと!」
ばふっとフィンセントの口を手で塞いだ。
――私は妻だけど妻じゃないの!
そう叫びたいのを我慢して、笑ってごまかした。
「えーと、子供たちをそろそろ寝かしつけなくてはいけないので……」
ちらりとレクスを見たけど無表情。
なにを考えているか、さっぱりわからなかった。
「乳母が帰っていないと聞いている。大変だろう?」
「レクス様、ご心配なく。私が二人を眠らせますわ(魔法で)」
ですから、お引き取りくださいという意味を込めて、にっこり微笑んだ。
「今日から護衛をするつもりだ。夜はユリアナの部屋で眠る」
「平気です! レクス様は仕事でお疲れでしょう!?」
――護衛? 大魔女に護衛は必要ないのよっ!
そう言いたかったけど、今の私はユリアナ。
ユリアナなのだ……
「守ると約束した」
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