1242人が本棚に入れています
本棚に追加
「ありがとうございます。心配してくださり、とても嬉しいですわ」
うまく笑顔が作れているかわからないけど、お礼を言った。
私の頭の中はフル回転。
なにか理由を見つけて、一緒に眠るのを回避するつもりが――
「命の危険に気づいてやれず、すまなかった」
「レクス様……」
「安心しろ。俺がいる限り、危険な奴は誰一人として近づけない」
いい雰囲気になってしまった。
――違うの、違うのよ! 私にとって、あなたが一番危険なのっー!
私の心の叫び声は誰にも届かなかった。
扉が閉まり、部屋には私とレクス、アーレントとフィンセントだけになった。
部屋に入ってきたレクスの手には、しっかり愛用の剣を手に持っている。
――うわぁ……。殺る気すぎて、震えるんだけど。
ベッドへ近寄り、レクスは寝間着の帯をほどく。
「まっ、待ってください! なにをするんですか!」
「これを」
短剣と弓矢がベッドの上に散らばった。
「好きな武器を使え」
「あ……。武器。武器ですか……」
最初のコメントを投稿しよう!