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帯を締め直すレクスの顔は、どこか満足そうだ。
「わぁー。あーれ、こりぇつかう!」
「かっこいー」
ベッドにいたアーレントとフィンセントが、武器を振り回し始め、慌てて取り上げた。
「駄目よ! 危ないでしょ!」
「これくらいルスキニアの皇子なら、当たり前だ」
「まだ早いですわ!」
子供たちから没収した武器をレクスへ返す。
「武器なしで身を守れとは、厳しい母親だな」
「違います! 子供たちは私が守りますから、武器をしまってください!」
レクスは子供たちに、自分の身は自分で守らせようとしているんだろうけど、そうはさせない。
善悪の判断ができるまで、本物の武器を使うのは禁止である。
私の強い圧を感じたらしく、レクスは渋々、武器をいくつかベッドの下へ隠す。
「これでいいか?」
私はレクスに厳しい顔でうなずいた。
子供たちにわからなければ、よしとしよう。
「眠るか」
親子四人で眠っても余裕があるベッド。
「わーい。おとーしゃま、いっしょ」
「えへへ。みんな、ねむるの」
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