1244人が本棚に入れています
本棚に追加
アーレントとフィンセントが大喜びしているのを見たら、レクスを部屋から無理矢理追い出すのも可哀想になった。
――でも、抵抗はある! だって、相手はレクスなのよ?
未来で私をズタボロにした相手と(私もズタズタにしたけど)、どうやって安眠しろというのか。
もし、レクスが寝込みを襲ってきたら、魔法を全力でぶちかます所存!
世界平和が遠のくけど、世界よ、こんな私を許して。
「もう眠るぞ。なにしているんだ?」
私だけが悶々と考えていただけで、レクスはすでに眠る体勢になっていた。
――あ、ふーん。そう。
向こうは淡々としていて、肩すかしもいいところだ。
レクスにとって女性との添い寝なんて、たいしたことじゃないらしい。
「おかーしゃま、こっちー」
「ねりゅの」
「あ、はいはい……わかりました」
――まあ、私はユリアナだし、殺される心配はないわね。
逆に意識するほうが、馬鹿馬鹿しく感じた。
私とレクスは双子を挟み、端と端で眠ることになった。
ついこないだまで殺し合っていた皇帝一家と私。
最初のコメントを投稿しよう!