17 寝室の護衛はいりません!

8/11
前へ
/266ページ
次へ
 アーレントとフィンセントが大喜びしているのを見たら、レクスを部屋から無理矢理追い出すのも可哀想になった。    ――でも、抵抗はある! だって、相手はレクスなのよ?  未来で私をズタボロにした相手と(私もズタズタにしたけど)、どうやって安眠しろというのか。  もし、レクスが寝込みを襲ってきたら、魔法を全力でぶちかます所存!  世界平和が遠のくけど、世界よ、こんな私を許して。 「もう眠るぞ。なにしているんだ?」  私だけが悶々と考えていただけで、レクスはすでに眠る体勢になっていた。  ――あ、ふーん。そう。  向こうは淡々としていて、肩すかしもいいところだ。  レクスにとって女性との添い寝なんて、たいしたことじゃないらしい。 「おかーしゃま、こっちー」 「ねりゅの」 「あ、はいはい……わかりました」  ――まあ、私はユリアナだし、殺される心配はないわね。  逆に意識するほうが、馬鹿馬鹿しく感じた。  私とレクスは双子を挟み、端と端で眠ることになった。  ついこないだまで殺し合っていた皇帝一家と私。
/266ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1244人が本棚に入れています
本棚に追加