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隠す気はなかったから、堂々と答えた。
私の返事を聞いたアーレントとフィンセントが殺気立つ。
「父上。新しい剣を試してもよろしいでしょうか?」
「俺も切れ味を試したいな~」
アーレントとフィンセントの二人が持っているのは魔法剣だ。
自分が持つ魔力を剣に付与し、魔法と剣の両方の力を使って戦えるというメリットがある。
ただし、近距離では有効だけど遠距離では役に立たない。
二人が持つ剣もどこから探してきたのか、魔物を何千と斬った伝説級の剣だ。
もちろん、レクスの剣も多く血を吸わせて強化した魔剣である。
忌まわしい魔剣を手に入れ、さらに強くなったルスキニア帝国。
――滅ぼした王国の宝物庫で見つけたのかもね。
剣の封印がレクスたちによって放たれたようだ。
剣からも禍々しいオーラを感じるけど、それ以上に皇帝一家の空気のほうが禍々しい。
アーレントとフィンセントが剣を鞘から抜いても、レクスは戦うなとは言わなかった。
「アーレントが水属性、フィンセントが火属性。似ていても属性は別ね」
二人は驚いて、私を見る。
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