18 最悪な出会い

6/10
前へ
/266ページ
次へ
 隠す気はなかったから、堂々と答えた。  私の返事を聞いたアーレントとフィンセントが殺気立つ。  「父上。新しい剣を試してもよろしいでしょうか?」 「俺も切れ味を試したいな~」  アーレントとフィンセントの二人が持っているのは魔法剣だ。  自分が持つ魔力を剣に付与し、魔法と剣の両方の力を使って戦えるというメリットがある。  ただし、近距離では有効だけど遠距離では役に立たない。  二人が持つ剣もどこから探してきたのか、魔物を何千と斬った伝説級の剣だ。  もちろん、レクスの剣も多く血を吸わせて強化した魔剣である。  忌まわしい魔剣を手に入れ、さらに強くなったルスキニア帝国。  ――滅ぼした王国の宝物庫で見つけたのかもね。  剣の封印がレクスたちによって放たれたようだ。   剣からも禍々しいオーラを感じるけど、それ以上に皇帝一家の空気のほうが禍々しい。  アーレントとフィンセントが剣を鞘から抜いても、レクスは戦うなとは言わなかった。 「アーレントが水属性、フィンセントが火属性。似ていても属性は別ね」    二人は驚いて、私を見る。
/266ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1244人が本棚に入れています
本棚に追加