18 最悪な出会い

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「見分けた?」 「俺とたちを?」  そっくりな二人を見分けられるのは珍しいことのようだ。  父親のレクスと違い、彼らはまだ感情がある。  慈悲深さや優しさのカケラも感じられない感情であっても、レクスよりマシだ。 「俺たちを見分ける人間はいらないよ」 「そうそう。わかったような顔で理解なんかされたくない」  剣を鞘から抜いた二人を見て、今まで黙っていた私の一番弟子が笑った。 「若く無知な者を教育するのは、ヘルトルーデ様の一番弟子である自分の役目。あのクソガキどものしつけは、自分にお任せいただけませんか?」    私に次いでの年長者の一番弟子は、完全にブチギレでいた。  今すぐにでも殴りかかりそうな勢いだ。  けれど、他の弟子たちから待ったの声が上がる。 「待てよ」 「よく考えようぜ」  ――私の弟子たちは落ち着いたものね。一番弟子の暴走をみんなで止めるなんて、素晴らしいわ。    育ててきてよかった!  弟子たちの成長の軌跡が頭の中で駆け巡る。   「俺が殺る!」
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