18 最悪な出会い

8/10
前へ
/266ページ
次へ
「いーや、俺だね! 自分だけ師匠から褒めてもらおうとしてるだろ」  ――私の感動を返して。  奪い合いのいがみ合いが始まった。 「やめなさい! 今日は戦わないって言ってるでしょ!」  仲間割れしている場合じゃない。  私の目から見た双子の魔力量は、弟子たちより多い。    ――戦うなら、弟子たち全員で、あの双子を倒すしかない。  暴言を吐き、自信たっぷりなだけあって、弱くなかった。 「剣に大魔女の血を吸わせたら、もっと強くなるかな?」 「アーレント、頭いいなぁ~。魔法使いたちの血も加えてやろうよ!」  双子は私の弟子たちから、さらなる反感を買い、じろりとにらまれる。  それでも平気な顔をしている双子。 「身の程を知らないクソガキは嫌いなんですよ」  「まさか勝てるとでも思ってるんじゃねえだろうなぁ?」  今にも戦いが始まりそうな空気の中、たった一人だけ退屈そうな顔の人間がいた。 「話は終わったか?」  レクスは玉座の肘置きに肘をつき、気だるげな態度を崩さず、私たちを見下ろしている。  
/266ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1245人が本棚に入れています
本棚に追加