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それで、私も気づく。
「ハンナ以外の侍女は、アーレントとフィンセントの勉強の準備をしてもらえるかしら?」
「かしこまりました」
「図書室から本を運んで、お茶の用意もお願いするわ。それから、手紙を書くための便箋とインクも準備してほしいの」
「は、はいっ! かしこまりました!」
すぐに終わらない仕事を言いつけた。
少ない侍女たちは仕事をこなすため、慌ただしく私の前から下がっていく。
――これで、ここにいるのは私とハンナ、子供たちだけになったわ。
「いいわ。ハンナ、手に入れた情報を教えてくれる?」
ハンナはうなずいた。
「皇妃様のヨミは当たってました。クリスティナ様は皇宮へやってくる前、毒の素材を集めていたようです」
「やっぱりね」
「偽名を使っておりましたが、売った者たちに外見の特徴をうかがうと、全員が同じように答えました」
私が毒を盛られた犯人を調べていると言った時、ハンナの行動は早かった。
怪しい侍女を遠ざけ、なるべく信頼できる侍女だけを選んでくれた。
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