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「レクス様はクリスティナに好意を持っているだろうし、彼女を貶めるために、私がたくらんだと思われるかもしれないわ」
レクスはまだクリスティナの【魅了】魔法にかかったままだ。
それも一番複雑で強力な【魅了】である。
他者に疑心暗鬼なレクスだからこそ、数年間、【魅了】の魔法をかけられても耐えられた。
――数年間も【魅了】されて、それでも、クリスティナを妃にしてないだけでも奇跡よ。
「皇帝陛下はクリスティナ様に騙されているんですよ! なんとかしなくてはいけません!」
騙されているというか、魔法で【魅了】されているのである。
毒の件も含め、クリスティナを罰する方法はひとつだけある。
それも、魔女ごと罰する方法が。
「神殿から神官を呼びましょう」
魔女を捕らえるのは神官の役目。
そして、魔女と戦うことを専門とする神官もいる。
当然、大魔女の私とは不仲で、隙あらば、捕まえようとするから鬱陶しい。
――神官を呼ぶのを避けていたけど、しかたないわ。
「神殿の神官様をお呼びするのですか?」
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