20 皇妃のたくらみ

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「毒の混入に関わっていないか、全員の前で審問してもらうのよ。良心が残っているなら、正直に話してくれるでしょう」  ハンナにはそう言ったけど、私の目的はクリスティナが魔女だと暴くこと。   「神官様は魔法を使える特別な方々ですよね。人数も少なくて、お忙しいから滅多に神殿の外で活動しないと聞いてます」 「大丈夫。私は神殿と関わりの深いグラーティア神聖国の王女ですから、力を貸してくださるでしょう」  【魅了】魔法を神殿は禁止している。  これが、神殿の知るところになれば、クリスティナは捕まり、魔力を封じられて牢屋行きである。 「クリスティナ様を捕まえるべきです」 「もちろん、そのつもりよ」  でも、これは危険な賭けである。  神官まで呼んで、クリスティナを犯人だと立証できなかったら、レクスの前で『皇妃様に嫌われる可哀想な私』を演じる可能性がある。  ――そうなったら、レクスも私を嘘つきな皇妃だと思うだろうし、皇宮の人々の信頼も一瞬で失うわ。  私がクリスティナを犯人に仕立てあげたなんて、嫌な噂が広がるのは必至。
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