1389人が本棚に入れています
本棚に追加
意地悪な皇妃にいじめられたと噂され、クリスティナに同情が集まり、やっと良好になった周囲との関係も一気に悪化するだろう――でも。
「悪いことばかり考えていてもいけないわよね! 失敗しても、ハンナが私を信用してくれたんだから、それで満足よ」
「皇妃様……」
ハンナは感激した様子で両手を胸の前に組んだ。
「でも、皇妃様はよく毒の成分がわかりましたね」
「毒の勉強していたのよ。毒の成分がわからないと【解毒】できないもの」
「さすが、皇妃様は博識でいらっしゃいます」
私が言ったのは、魔法の【解毒】であり、医術師たちの解毒方法とは違う。
毒の成分がわかったのは、【解毒】の魔法を完成させる途中に、【鑑定】を行ったからだ。
成分から素材を推測するのは、それほど難しくない。
むしろ初歩の初歩。
魔法を構築し、【解毒】に至るまでの必須知識である。
「皇妃様。そして、アーレント様とフィンセント様。今まで以上に、お仕えさせていただきます」
私はハンナという心強い味方を手に入れた。
「ハンナ。神官を舞踏会に招待するわ」
最初のコメントを投稿しよう!