20 皇妃のたくらみ

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「それは名案ですね。舞踏会なら大勢の人が集まりますし、怪しい人間がいても神官様が裁いてくれるでしょう!」  ――怪しい人間……。私も気をつけないとね。  表向きは舞踏会の招待状だけど、中身は魔女の調査依頼である。  神殿側は調査のため、最低でも神官を一人向かわせるはず。  魔女と聞いたら、神殿は無視できないことを私は知っている。    ――神殿は魔法使いと魔女を嫌う。  魔女だと疑われたら最後、彼らは猟犬よりもしつこく追い回し、捕まえるまで諦めない。  神官が来れば、【魅了の魔女】だけでなく、私も危険だ。     ――でも、これが最善だと思う。  そう思うのは、アーレントとフィンセントだけでなく、レクスも救われてほしいと願っているからだ。  私はルスキニア皇帝一家を守りたい。  気づけば、私は一家全員の幸せを考えていたのだった。
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