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――皇妃様はどんなドレスをお召しになるのかしら?
皇帝陛下にエスコートされた私が、招待客の前に登場して、ダンスを踊ることが決まった。
誰もが私を皇帝陛下の妻にふさわしいと思うはず。
――舞踏会の日が待ち遠しいわ!
茶色の髪に似合うピンク色の可憐なドレス。
きっと皇帝陛下も可愛いって思ってくれる。
「ああ、クリスティナ様。お待たせしてすみません」
「エルナンド様! 平気です。お忙しいのに、私が呼び出してしまったのですから、悪いのは私のほうですわ」
「クリスティナ様は優しいですね。遅れたお詫びにこれを」
エルナンド様は花を一輪、私に差し出した。
「女性に花を贈ると喜ばれると、騎士団の部下が言っていたのを思い出しまして。よろしければ、受け取っていただけますか?」
「嬉しいですわ! ありがとうございます」
――うふふ。私にしっかり【魅了】されてるわ。
皇帝陛下に近しいエルナンド様を【魅了】したのは正解だった。
近づきやすくなったし、皇宮内で限られた人しか知らない情報も手に入る。
「それで、クリスティナ様。私に相談したい件とは、いったいなんでしょう?」
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