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「皇妃様がどんなドレスを仕立てたのか知りたいんです。皇妃様より、見劣りしてしまうんじゃないかって心配で……」
「クリスティナ様。大切なのはドレスではなく、振る舞いですよ」
――はあ……。エルナンド様は女心がわからない方なのね。
グラーティア神聖国の王女で、皇帝陛下の妃に望まれて嫁いだだけあって、皇妃様は気品があって美しい。
どちらかというと、私は可愛らしい部類。
ちょっと気を抜いたら、目立たなくなってしまう。
「女性にとって、身に付けるものは、とても大切ですの。皇妃様のドレスが気になるのは、当然のことですわ」
「すみません。あまり興味がなくて」
エルナンド様は申し訳なさそうな表情で謝った。
「私のドレスについて、皇帝陛下のご意見をうかがいたいわ」
「私以上に興味がないと思いますが……いや、そんなことないか」
「え?」
嬉しそうにエルナンド様は言った。
「さきほど皇帝陛下にお会いしたのですが、皇妃様のドレスを見に行くとおっしゃってました」
「皇帝陛下は皇妃様のドレスに興味があるんですか!?」
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