1 愛されない皇妃

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 ――私は愛されない妻でした。  悲しみと切なさが伝わってくる。  私は彼女を知っている。  愛されない皇妃『ユリアナ』。  ルスキニア帝国皇帝の妻でありながら、人々からそう呼ばれていた。  なぜなら、皇帝に愛された寵妃『クリスティナ』にすべてを奪われ、彼女は死んだからである。  ユリアナは嫉妬に狂いクリスティナを殺そうとするが、失敗し、夫である皇帝に処刑されてしまう。  エメラルドの瞳から涙がこぼれ、金色の長い髪が、彼女の細い肩を覆っている。  ――でも、安心して。あなたを苦しめた皇帝は、私が倒したから。  ユリアナが死んで、クリスティナを皇妃に迎えた皇帝一家。  その後の彼らは人々を虐げ、『悪逆皇帝一家』と呼ばれるようになった。  そして、偉大なる大魔女(私)によって悪逆皇帝一家は討伐され、ハッピーエンドで終わった――終わったはずだった。  ――どうして、私がユリアナの姿をしているの!?    目覚めた私はベッドの上ではなく、土の上に転がっていた。  寝相が悪いにもほどがある。
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