1393人が本棚に入れています
本棚に追加
「クリスティナ。私と友達だというのなら、突然、訪れるのはやめていただきたいの」
「お友達ではないということですか?」
「そうね。私の友達だったら、まず訪問時は連絡をすること。許可なく、私の部屋へ入らないこと。それから……」
――まだあるの!?
皇妃様のお説教をなぜか皇帝陛下まで真面目な態度で聞いている。
「今は自分のことより、アーレントとフィンセントの教育する時間を増やしたいのです」
「教育熱心だな」
「アーレントとフィンセントは、ルスキニア帝国の未来を背負っています。思いやりのあるしっかりした皇子に育てたいと思っています!」
皇妃様の顔は真剣そのもので、その言葉に嘘はないとわかる。
――こんな教育熱心な方だったかしら?
「皇妃様。神殿から手紙が届いております」
侍女がうやうやしく銀のトレイを差し出した。
神殿の紋章が入った封書を見て、正式なやり取りだとわかる。
「ありがとう。舞踏会の返事ね」
――まさか、舞踏会に神官を招待したっていうの!?
神官が来る――魔女を捕らえ殺す者。
最初のコメントを投稿しよう!