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恐怖で叫びそうになった。
「神官を舞踏会に神官を招いたのですか?」
「ええ。グラーティア神聖国では王族だけでなく、貴族たちも親しい神官にパーティーの招待状や手紙を送る習慣があるのよ」
「グラーティア神聖国は神殿との繋がりが深いからな」
今までになく【魅了の魔女】が動揺しているのがわかった。
「ルスキニア帝国では、神官をパーティーに招く習慣はありません!」
「神殿との関係を深めておいて、損はありませんわ」
――なんてこと。
舞踏会に神官が参加するなんて初めてのことだった。
これは完全な計算外。
「皇帝陛下……。舞踏会当日のエスコートのことで、ご相談がございますの。少しよろしいでしょうか」
「ああ。ちょうどいい。俺もそのことについて話があった」
エスコートの件を持ち出されたら、きっと皇妃様は気にするわ。
そう思っていたのに、侍女たちと話していて、こちらをまったく見ていない。
「皇妃様。パンケーキを明日から減らしてくださいね」
「えっ!? パンケーキを?」
「舞踏会までにウエストを絞りましょう!」
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