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「そ、そんなっー! ウエストよりパンケーキ!」
「駄目です! キュッとしましょう、キュッと!」
――それどころではなさそう。
私と皇帝陛下の仲より、パンケーキを気にするなんて余裕ね。
皇帝陛下を止められなかったことを後悔するわよ。
そう思いながら、皇帝陛下と一緒に皇妃様の部屋から出る。
廊下に出た直後、私に言ったの言葉は衝撃なものだった。
「舞踏会当日だが、俺はユリアナのエスコートをする」
「私のエスコートをしてくださるはずじゃ……」
「エルナンドがやりたいそうだ」
――何度、あなたに【魅了】魔法を使ったか。
それでも私のものにならないのね。
父と兄を殺し、皇帝の地位についただけあって、すさまじい精神力。
普通の人間なら、完璧に【魅了】されていたはずだった。
『魔女との約束を破ったらどうなるか、思い知らせてやるわ』
魔力を重ね、魔法を構築していく――これが最後の【魅了】の魔法。
二度と私に逆らえない強力なもの。
「私との約束を破るなんてひどいですわ。私をエスコートしてくださいますよね?」
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