21 あなたは私のもの ※クリスティナ視点

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「……わかった。エルナンドには俺から伝えておく」    強力な【魅了】魔法を使ったはずなのに、皇帝陛下は険しい顔のままだった。  去っていく皇帝陛下の背中を眺め、その姿を見送った。    ――私のことが好きでたまらないはずなのに、態度が冷たかったわ。本当に【魅了】魔法が効いてるの? 『当たり前よ。私の魔法を疑うの?』  疑ってなんていないわ――そう答えるつもりが、私の声は悲鳴に変わった。 「きゃあああ!」  魔力の刃が私の体を切り刻む。  誰かが皇帝陛下に守護魔法をかけてあったのだ。  さっきの【魅了】魔法は攻撃魔法として認識され、反撃される。   「いったい誰が、こんな魔法をかけたの!? 私の邪魔をしているのは誰よ!」  私は愛され令嬢クリスティナ。  なぜ私は血まみれになっているの?  うまくいっていたはずだったのに――私の恋は。
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