22 切り刻まれたドレス

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 舞踏会が近づき、皇宮内は慌ただしくなった。  そんな中で、ちょっとした変化があった。 「え? クリスティナはずっと部屋にひきこもってるの?」   私と友達になりたいとかいうから、舞踏会まで友達攻撃してくると思って警戒していたのに、なんだか肩透かしを食らったような気分だ。 「ええ。美容のためとおっしゃってます」 「ふーん。美容に気を遣ってるのね」  いったいどんな美容法なのか知らないけど、【魅了の魔女】が極めた魅力アップの美容法なら、少し知りたい気がした。 「なにかたくらんでいるのかもしれませんよ。舞踏会のためにピンク色の可愛らしいドレスを仕立てたそうです。仕立屋をお呼びしましょうか?」 「さすがに仕立屋は共犯じゃないと思うわよ……」  ハンナはすっかりクリスティナに疑心暗鬼で、情報収集を怠らない。  おかげで、クリスティナがなにをしているか、すぐにわかる。 「おかーしゃま、きれー」 「どれちゅ、ひらひら」  私のドレス姿を見た子供たちは、ドレスが気に入ったのか、お絵描きしていた。 「まあ、上手。私を描いてくれてるの?」 「あーれ、じょーず!」 「ふぃんも、じょーず」 「すごいわ。舞踏会の時に着るドレスを二人とも覚えているのね」
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