3 嫌われた皇妃

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 とりあえず一人、信用できそうな人間を見つけることができた。  ――今のところ誰も信用できないわ。  ユリアナが自分で毒を飲んだって言ってたけど、おかしい。  周囲を見回す。  ユリアナはお茶の時間だったらしく、庭に用意されたティーセットは一人分だけ。  皇妃だというのに、誰一人としてそばにおらず、孤独な時間を過ごしていた。  カップが倒れているところをみると、お茶を飲んでいて、気分が悪くなったことがわかる。  自分で毒を飲んだなら、毒が入っていた容器がどこかにあるはず。  けれど―― 「皇妃様。なにを探していらっしゃるのですか? お部屋にお戻りになられないのですか?」 「そのつもりだったけど……。毒が入っていた容器を探しているのよ」 「毒の入った容器ですか?」 「そうよ。自分で用意した毒を飲んだなら、この場に毒が入っていた容器が落ちているはずでしょ」 「それもそうですね。ここで死ぬと決めて毒をあおったなら、容器が残っているはずです」  毒の容器はなく、残っていたのはユリアナが口にしていたお茶だけ。  お菓子は手つかずだ。
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