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信頼と実績がありますという顔で言われても、私の心は複雑だ。
微笑みを崩さなかった自分を褒めてあげたい。
「皇妃様。皇帝陛下がいらっしゃいます」
「え? レクス様が?」
リュドが下がる暇もなく、レクスが部屋に現れた。
いつにも増して怖い顔をしていた。
「どうかされました?」
「ドレスが見つかった」
レクスの背後から現れたのはエルナンドで、手には緑のドレスがあった。
でも、その緑のドレスは泥だらけになり、切り刻まれ、どうやっても元に戻せそうにない状態になっていた。
「レクス様も探してくださったのですね。ありがとうございます」
「エルナンドから話を聞いたからだ。犯人も捕まえた」
――行動が早すぎる。【魅了】されてしたことかもしれないのに、どうしよう。
エルナンドはレクスに隠しきれなかったようで、後ろで申し訳なさそうな顔をしていた。
「侍女は牢屋に放り込んだ。だが、なぜこんなことをしたか、わからないと言って話にならない」
それを聞いたリュドがレクスの前に出た。
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