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「もしかすると魔女に精神を操られていたかもしれません」
「神官か」
「ルスキニア帝国には初めてうかがいました」
「神殿に用がなかったからな」
他の国々は王が即位すると、必ず神殿に承認を求める。
けれど、ルスキニア帝国だけは別で、神殿とは距離を置いている。
リュドと初対面ではあるものの、レクスとの相性は悪そうだ。
ちょっと目を合わせただけなのに、見えない火花がバチバチしていた。
「相変わらず、神殿に対する敬意が足りてませんね」
「神の名を利用し、国の政に介入する坊主どもを尊敬しろというのか」
――ユリアナと合わなかったのも納得だわ。
グラーティア神聖国は神殿の影響力がもっとも強い国だ。
神官を坊主よばわりするなんて、とんでもない話である。
「ルスキニア皇帝はずいぶん元気な(生意気な)方ですね。これは導き(叩き潰す)が必要のようだ」
「お前が俺を導く? なかなか面白い冗談だ」
二人の立場は違えど、戦闘狂――つまり同類。
「やめてください! 子供たちが怯えます!」
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