1479人が本棚に入れています
本棚に追加
「皇帝陛下が幸せそうでなによりです」
「ええ。本当に……」
レクスが笑顔を浮かべるのを見て、エルナンドは感激し、ハンナは涙を流している。
それを見てイライラしたクリスティナが大きな声を出し、場の空気をぶち壊した。
「皇帝陛下! 私をエスコートしてくださる約束ですよね?」
クリスティナはまるで、夫の浮気を咎める妻のような態度を見せた。
「もちろん、覚えている。このパーティーが終わったら、皇宮を去る約束をしたこともだ」
レクスの声は冷たく、クリスティナがかけた【魅了】が解けつつあることに気づいた。
完全に解けていたら、どんな態度だったのか……
クリスティナもそれに気づいるはずなのに、エスコートをやめるとは言わなかった。
レクスの手をとる。
「皇妃様。私がエスコートされてしまってごめんなさい」
さも、悔しいでしょうという顔で言われたけど、こっちはちゃんとエスコート役がいる。
「いいのよ。私はアーレントとフィンセントがエスコートしてくれるから」
「おかーしゃま、どーじょ!」
「て、ぎゅっ! ぎゅって!」
最初のコメントを投稿しよう!