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「おお! なんとご立派に! アーレント皇子もフィンセント皇子も大きくなりましたなぁ」
「以前より、凛々しくなられた気がしますわ」
「なんでも皇妃様がつきっきりで、教育されているそうだ。最近では、魔法の練習も取り入れているとか」
「それは素晴らしい」
貴族たちの視線はクリスティナではなく、幼い皇子に集中する。
ルスキニア帝国を背負う皇子に、注目がいくのは当然のこと。
その皇子を大切に育てている噂が流れていたらしく、私の評判は上々だった。
それに対して――
「クリスティナ様はどうしたのかしら。仮面なんてかぶって……」
「どうして、皇帝陛下にエスコートされているの?」
「皇帝陛下に自分からエスコートをお願いしたらしいわ」
「まあ! よくそんな図々しいことができたものね」
クリスティナの【魅了】にかけられていない令嬢たちは、ひそひそと話していた。
大勢いる貴族令嬢たち。
全員にクリスティナが【魅了】魔法をかけることは不可能である。
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