23 波乱の舞踏会

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「おお! なんとご立派に! アーレント皇子もフィンセント皇子も大きくなりましたなぁ」 「以前より、凛々しくなられた気がしますわ」 「なんでも皇妃様がつきっきりで、教育されているそうだ。最近では、魔法の練習も取り入れているとか」 「それは素晴らしい」  貴族たちの視線はクリスティナではなく、幼い皇子に集中する。  ルスキニア帝国を背負う皇子に、注目がいくのは当然のこと。  その皇子を大切に育てている噂が流れていたらしく、私の評判は上々だった。  それに対して―― 「クリスティナ様はどうしたのかしら。仮面なんてかぶって……」 「どうして、皇帝陛下にエスコートされているの?」 「皇帝陛下に自分からエスコートをお願いしたらしいわ」 「まあ! よくそんな図々しいことができたものね」  クリスティナの【魅了】にかけられていない令嬢たちは、ひそひそと話していた。  大勢いる貴族令嬢たち。  全員にクリスティナが【魅了】魔法をかけることは不可能である。
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