23 波乱の舞踏会

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 皇宮の噂を聞いて、ユリアナに悪い印象を抱いていただけで、【魅了】されてなかった令嬢は、クリスティナの行動を不快に思ったようだ。  ――レクスが【魅了】にかかりにくかったから、貴族全員まで手が回らなかったのでしょうけど。  クリスティナがユリアナを侮っていたということもある。  これで、クリスティナが魔女とわかれば、【魅了】の効果を薄め、うまくいけば魔法を解くことができるはず。  それには、神殿から派遣されたリュドが頼りだ。  招待客に紛れているリュドをうかがう。  私が心配しなくても、リュドのスピネルの瞳が、クリスティナを観察し、魔女である証拠がないか、観察しているのが見えた。  ――さすが、神官長。ぬかりないわね。私も気を付けないと、ヘルトルーデだとバレたら、ここにいられなくなるわ。  そんなことを思いながら、歩いていたけど、私の前を歩くレクスが足を止めたことに気づいた。  予定では、エスコートされたクリスティナとレクスがダンスを踊るはずだったのに―― 「レクス様?」  背中に呼びかけた瞬間、レクスの手が剣の柄に伸びた。
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