23 波乱の舞踏会

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 ――いったいなにを!?  私が動く前に、貴族たちの中から男が一人、飛び出し、レクスに襲いかかった。   「父と兄と殺し、王位を奪った忌まわしい皇帝よ! 裁きを受けろ!」  レクスに恨みを持つ貴族の一人が、隠し持っていた短剣を構え、こちらへ向かってくる。 「きゃあああ!」  とっさにクリスティナはレクスの後ろに隠れた。  冷静に眺めていたのは、この中で私だけ。  なぜなら、レクスには――   「なっ! なぜだ!?」  レクスに体に触れる手前で、短剣が壊れた。  短剣が砂のようにさらさらと崩れていく。  私がかけた守護魔法が発動して、かすり傷ひとつつけられない。   「俺はなにもしてないぞ」 「そ、そんな馬鹿な……」    レクスは命を狙われたというのに、平気な顔をしていた。  剣の柄で男を殴り倒し、兵士に命じる。 「裏切り者を捕らえよ」  我に返った兵士たちが、レクスの元に駆けつけて、襲った男の腕をつかんだ。  でも、守護魔法の本当の効果はこれから始まる。 「ぎゃああああ!」
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