3 嫌われた皇妃

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「毒を盛られたのであれば、命を狙われた可能性が高いです。アーレント様とフィンセント様が危険ではありませんか?」 「大丈夫よ。私がボコボコに……じゃなくて。子供たちは命を狙われたりしないわ」  ルスキニア帝国の大切な世継ぎである。  それに、この二人は未来でも皇子として生き残っていた。  つまり、邪魔なのは皇妃の私だけ。  ――未来で死んでいたのはユリアナのみ。レクスとアーレント、フィンセントは健在だったしね。 「皇妃様は犯人が誰なのか、おわかりなのですか?」 「いいえ」  口では否定したものの、怪しいのは第一発見者のレクスだ。  騒ぎになってからやってきたのはハンナとクリスティナ、侍女、医術師。  レクスが大声をあげたわけでもないのに、タイミングよく現れたクリスティナ。  愛し合うレクスとクリスティナが共謀し、妻を殺そうとした可能性もある。    ――でも、二人が愛し合うのはまだ先よね。  クリスティナはレクスを『皇帝陛下』と呼び、その態度はよそよそしかった。
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