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「毒を盛られたのであれば、命を狙われた可能性が高いです。アーレント様とフィンセント様が危険ではありませんか?」
「大丈夫よ。私がボコボコに……じゃなくて。子供たちは命を狙われたりしないわ」
ルスキニア帝国の大切な世継ぎである。
それに、この二人は未来でも皇子として生き残っていた。
つまり、邪魔なのは皇妃の私だけ。
――未来で死んでいたのはユリアナのみ。レクスとアーレント、フィンセントは健在だったしね。
「皇妃様は犯人が誰なのか、おわかりなのですか?」
「いいえ」
口では否定したものの、怪しいのは第一発見者のレクスだ。
騒ぎになってからやってきたのはハンナとクリスティナ、侍女、医術師。
レクスが大声をあげたわけでもないのに、タイミングよく現れたクリスティナ。
愛し合うレクスとクリスティナが共謀し、妻を殺そうとした可能性もある。
――でも、二人が愛し合うのはまだ先よね。
クリスティナはレクスを『皇帝陛下』と呼び、その態度はよそよそしかった。
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