4 皇宮の嫌がらせ  

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 私がユリアナになって数日。  ユリアナのルスキニア皇宮内での生活が、どんなものであるか、徐々にわかってきた。  アーレントとフィンセントには信頼できる乳母のハンナがいるけれど、私の身の回りの世話をする侍女は、本当にろくでもなかった。   「ユリアナ様。身を清める準備ができました」 「ありがとう」  侍女が意地悪な顔をしたのを見逃さなかった。  ――次はなんの嫌がらせかしら?  湯浴みのため、浴室へ入ったとたん、侍女がの嫌がらせに気づいた。  異様な寒さに顔をしかめる。  お湯であれば、白い湯気が立ち込めているはずなのにそれがない。  確認のため、浴槽に足のつまさきだけを入れてみる。 「つ、冷たっ! 水!?」  侍女たちが浴室前で大笑いしている声が聞こえた。  どうやら、わざとお湯ではなく水風呂を用意したらしい。 「お湯ではなく、水がためられているけど、これはどういうことかしら?」  おとなしく黙っているつもりはない。  扉を開け、浴室前の侍女に尋ねた。  皇妃の私に問われたというのに、侍女は平気な顔で答えた。
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