4 皇宮の嫌がらせ  

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 魔法構築――【火】【熱】【作用】【時間短縮】いくつもの魔力のかたまりが重なって、ひとつの魔法が完成する。 「【火炎】」  一瞬で水がお湯に変わる。  この絶妙なお湯加減を出すために、魔法詠唱の時間短縮をし、魔法の威力を抑えた。   「完璧ね」  ちょうどいい湯加減である。  広い浴槽に飛び込んで、自分好みのお湯にうっとりした。   「あったかーい。お湯加減が絶妙! ああ、大魔女たる自分の才能が恐ろしい……」  お湯が水だったことを除けば、お金持ちのルスキニアの皇宮だけあって、室内はゴージャスで快適。  白い石で統一された浴室には、天窓があり、星空が楽しめる。  掃除はきちんとされていて清潔だし、飾ってある花も立派な薔薇の花。 「豪華な薔薇の花が花瓶いっぱいに飾られてるなんて、さすが皇妃用の浴室ね……あ、いいことを思いついたわ!」  パチンと指を鳴らし、簡単な風魔法を構築する。  薔薇の花を花首から切り落とし、お湯に浮かべた。 「薔薇の花のお湯って最高よね!」  薔薇はお肌にいいし、甘い香りに癒される。
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