1 愛されない皇妃

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 ――いやいや、違うでしょ。寝相レベルの話じゃないわよ!?  温室のガラスが、倒れた私の姿をしっかり映し出していた。  さっき夢で見たユリアナそのものである。  でも、私はユリアナじゃない!  私は悪逆皇帝一家を倒した大魔女ヘルトルーデ。  銀髪にアメジストの瞳、妖艶な美女でスタイル抜群(自分で言うのもあれだけど)、髪一本まで宝石の如しと言われていた。  それが、金髪にエメラルドの瞳、そこそこのお胸――ここまではギリギリ我慢するとして、問題は『愛されない皇妃ユリアナ』の姿をしているということ!  しかも、ユリアナは毒を飲んだらしく、体が痺れ、死にそうなくらい苦しい。  ――体が動かないし、声も出ない!  これでは魔法が使えず、死を待つばかり。  美しい薔薇園の中で死のうと思ったのだろうか。  ――ああ、空が青くて花がキレイ……って、このまま天に召されたくない! 誰か助けて!  大魔女ヘルトルーデが誰かに助けを求めるなんて最悪だ。  ――この屈辱は一生忘れないんだから!  そう思っていると、誰かがやってきた。
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