4 皇宮の嫌がらせ  

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 石鹸も真新しいものが用意され、タオルもふかふか。  優雅なバスタイムを終え、大満足な私――嫌がらせされたことを忘れていた。 「は~。お肌もすべすべだし、最高のお湯だったわ」  髪を拭きながら、浴室から出ると、侍女たちが私を一斉に見る。  冷え切って出てくるはずだった皇妃が、薔薇の香りをさせ、ツヤツヤした顔で登場したのだから、驚かないわけがない。 「ユリアナ様? あの、水でしたよね……?」 「水? あっ! そうだったわ。ちょっと待ってて!」 「えっ? 待つんですか?」  混乱する侍女たちを放って、急いで浴室に戻った。  侍女に言われて思い出したけど、最初は水風呂だった。  薔薇風呂を楽しみ過ぎて、嫌がらせされたことをすっかり忘れてしまい、お湯から水に戻すのを忘れていたのだ。  浴室に戻り、同じ魔法構築を行い一部を変更する。 「【氷晶】」  一瞬でお湯は冷水になった。  さっきと同じ要領で、凍るまではいかないくらいの温度で止める。 「こんな高度な魔法構築ができるなんて知られたら、私が大魔女(ヘルトルーデ)だってバレちゃうわ」
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