4 皇宮の嫌がらせ  

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   間一髪の身バレ危機を回避して、私が浴室から出ると、侍女が片付けのためにすぐ外で待っていた。 「ユリアナ様。入ってもよろしいでしょうか?」 「どうぞ」  嫌がらせをしたのに、まったく効果がなかったせいか、侍女たちは落ち着かない様子で浴室へ入っていった。  浴室に侍女が入った瞬間―― 「ひっ!? 薔薇の花が全部、花首から切られてる!」 「もしかして、ユリアナ様から私たちへのメッセージ?」 「生意気な侍女を解雇(クビ)にしてやるぞっていう意味じゃ……」  なにやら侍女たちが大騒ぎしていた。  でも、私はちゃんとお湯から水に戻したから、問題ないはず。  部屋に戻ると、すでに寝る準備を済ませたアーレントとフィンセントが、ハンナと待っていた。 「お風呂はいかがでしたか?」 「とてもいいお湯だったわ」 「それはよかったです。時々、皇妃様の侍女たちが、よからぬことをしていたので、心配してました」  ハンナの口ぶりからいって、ユリアナへの嫌がらせは、今日が初めてというわけではなさそうだ。 「おかーしゃま、おはな?」 「おはな、みたい」
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