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「薔薇のお風呂に入ったからよ。今度、アーレントとフィンセントもお花のお風呂に入れてあげるわね」
薔薇の香りに気づいたアーレントとフィンセントは、手を叩いて喜んでいた。
「皇妃様が皇子様方と同じベッドで休まれるのはよろしいのですが、本当に部屋で待機せずとも大丈夫ですか?」
今日から私と子供たちは一緒に眠ることにしたため、ハンナは心配なようだ。
私は多くの弟子を育てあげた。
成長した弟子は変人が多いけど、優しい心を持つ(たぶん)弟子たち。
きっとアーレントとフィンセントも優しい皇子に育ってくれるはず。
「ハンナ、ありがとう。今日はもう休んで。子供たちの世話で疲れたでしょう」
「私の仕事ですから平気です。なにかありましたら、お呼びくださいませ」
「ええ。おやすみなさい」
一日の疲れがたまっているはずなのに、ハンナは礼儀正しく深々とお辞儀をして部屋から出ていった。
そのハンナと入れ替わりで、入ってきたのは皇妃付きの侍女だ。
「失礼します」
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