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皇妃付きの侍女たちがワゴンを押し、アーレントとフィンセントが夜に飲むホットミルクと私のハーブティーを運んできた。
アーレントとフィンセントのホットミルクはぬるめで、飲みやすい温度になっていた。
「ユリアナ様、どうぞ」
私に差し出されたのは、大量のハーブをいれたハーブティーだった。
そのままにしておけば、渋みや苦みのある不味いハーブティーになってしまうだろう。
侍女は知らん顔して出ていった。
「はあ……。なんて幼稚なの。それにハーブがもったいないわ」
ハーブをお湯から取りだして冷ますと、部屋の植木の土の上にまき、肥料として再利用する。
「おかーしゃま、あーれの、あげゆ」
「ふぃんのも!」
私がハーブティーを飲まずにいたからか、アーレントとフィンセントが自分のホットミルクを差し出した。
「二人ともいいのよ。今から、ゆっくりハーブティーを楽しむから。寝る前に本を読んであげましょうね。なにがいいかしら?」
「こりぇ!」
アーレントが重そうな本を一生懸命持ち上げて、私に差し出した。
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