6 あなた、侵入者ですよ?

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 なんなら、嫌がらせをしてくる。  だから、ハンナが絵の具をもえらえなかったら、最終的に『黒のみでも構いませんから、絵の具をいただけませんか?』と言うように指示した。  黒のみの寂しい絵が出来あがると思って、面白がり黒の絵の具をたくさんくれるだろうと予想したのだ。  私の予想通り、黒の絵の具をたくさんくれた。   「ハンナ。ありがとう。これだけ絵の具があれば、じゅうぶんよ」 「でも、黒ですよ?」 「黒でいいのよ。ハンナ、二人の服が汚れないようエプロンをつけて、袖をまくってくれるかしら。私は絵を描く準備をするわ」 「はい」  部屋で絵を描くと、絵の具だらけになるかもしれないので、外で絵を描くことにした。  この庭園がある場所は皇妃の部屋の前で、完全に私的なスペースだ。  皇宮でも奥にあり、立ち入る人間は限られているため、来客の心配はない。  ――人目があると、魔法も使いづらいしね。  現在、私がクリスティナより優位に立てるものがあるとするなら、魔法が使えるという点のみ。  魔法が切り札になる。  ――切り札はとっておかないとね。
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