6 あなた、侵入者ですよ?

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 レクスに手紙なんて、正直まったく思い浮かばなかった。  庭の花を眺め、頬杖をつく。  ――敵だったレクスに手紙を書くなんて、複雑な心境だわ。  とりあえず、日々の出来事をあたりさわりない程度に書くことにした。   「おかーしゃま、あーれのみてっ!」 「ふぃんのも!」  絵の具だらけになりながら、アーレントとフィンセントが出来上がった絵を持ってきた。 「二人とも上手ねぇ」 「こりぇ、くっつけるの」 「おとーしゃま、おかーしゃま、あーれ、ふぃん!」  二枚の絵を繋げると、家族の絵になった。 「素敵な絵だわ。二人とも天才ね!」  アーレントとフィンセントを抱き締めた。 「皇妃様。絵の具がつきますわ」  ハンナが慌てていたけど、二人は大喜びだ。 「ぎゅー」 「えへへ」  なんとも言えない天使の微笑みである。 「二人とも、私の部屋に飾りたいくらい上手ね」  レクスにわかるようアーレントとフィンセントが描いた絵に、それぞれ名前を書いておく。
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