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お気に入りのクリスティナと一緒で、ご機嫌なのかと思っていたけど、どうやら違うようだ。
あの顔が、普段どおりの顔らしい。
「そういえば、昨晩、レクス様に手紙を書くと約束しましたよね?」
さっき書いたばかりの手紙をレクスに渡す。
「どうせ恨み言ばかり書いてあるのだろう?」
「恨み言? レクス様になんの恨みも特別な感情もありませんけど?」
「は? 感情がない? そこは皇妃としてなにかあるだろう」
レクスはムッとしながら、手紙を受け取り、中を開ける。
「今、ここで読むんですか? 後でゆっくり読んでください!」
「別にいいだろう。俺がもらった手紙だ。どこで読もうと俺の勝手だ」
それはそうだけど、なんだか恥ずかしい。
「あーれ、かいた!」
「ふぃんも!」
レクスの感想をドキドキしながら待つ。
それは私だけじゃなく、子供たちも同じだ。
「そうか」
――え? それだけ!?
レクスは読み終わると、ポケットに手紙をしまった。
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