7 令嬢の正体

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 ハンナも同感とばかりにうなずいた。 「気にしないのよ。アーレント、フィンセント。とっても上手な絵だったから……って、なにを描いてるの?」  気がつくと二人は落ち込むどころか、新しい絵を描いていた。 「まじょ」 「きらきら」  白い紙に描かれた女性の姿に、星をいくつも周囲に加える。  ――今、魔女って言った? もしかして、私が魔女だってわかってしまったの?  でも、髪の色は茶色。  つまり、この女性は…… 「魔女ってクリスティナのことを言っているの?」 「まじょ。きらきら」 「ふぃんたち、ばしってした! つよい!」  クリスティナが魔法を使ったけど、アーレントたちはそれを防いだ。  そう言っているのだろうか。    ――忘れていたけど、アーレントとフィンセントに守護魔法をかけていたわね。  レクスが訪れた夜、扉を開ける前に二人に守護魔法をかけた。  人によっては、加護魔法とも呼ぶ。  魔女から加護なんて……というような人がいたため、今は守護魔法の呼び名が一般的だ。
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