8 周囲を魅了する令嬢

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 ――可憐なクリスティナが魔女。    それを言ったところで、信じてくれる人は誰一人としていないだろう。  私が嫉妬して、クリスティナを貶めようとしていると思われておしまいだ。  ハンナでさえ、アーレントたちが描いた魔女の絵を見て笑っていた。 「気のせいですよ。クリスティナ様が魔女なんてありえません。普通の伯爵令嬢でいらっしゃいますよ」  ハンナは否定し、その絵が人の目についてはまずいと思ったのか、すぐに捨てた。  この世界においての魔女。  魔女と呼ばれるのは、ただ魔力が強く魔法が上手いというだけではない。  神殿に背く者を魔女と呼ぶ。  私が魔女と呼ばれたのは、単純に神殿に反抗して追い出されたからだ。  神殿を追放された私は、魔法を極めることにした。  魔法を極めたことにより、時間の流れを緩やかにし、不老不死となった私は数百年の時を生きて、大魔女と呼ばれるようになった。    ――そう。神殿と私の戦い。これは長い反抗期なのよ(継続中)。  でも、私みたいな例はまれで、他の魔女は違う。
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