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神殿が決めたルールに違反するだけでなく、普通の人間よりも欲望が強い。
「凄まじいっていうか……」
極端な例だけど、【宝石好きな魔女】と呼ばれた魔女は、宝石を求め続け、宝石の山に埋もれて命を落とした。
死ぬまで狂ったように集め続ける姿は異様だった。
――待って? そうなると、【怠惰】と呼ばれた私は永遠に仕事をしたくないってこと?
ただの悪口である可能性が高いけど、心当たりがないか、ちょっと考えてみた。
「……まあ、そうね。間違いではないわ。ということは、仕事をしなくても許される!」
弟子が私の発言を聞いたら、攻撃魔法を連続でぶちかましてきただろう。
幸運にも弟子はここにいなかった。
「最近のユリアナ様、なんだか不気味じゃない?」
「お茶会を開きたいっていうから準備をして、令嬢を招待したのにまったく興味がないみたいだし……」
「なにを考えていらっしゃるか、わからないわ」
侍女たちがひそひそと、私のほうを見て話していた。
私は皇妃主催のお茶会を開いた。
ユリアナになって、初めて皇妃らしいことをした気がする。
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