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「皇妃様。お茶会にご招待していただき、ありがとうございます。このような見苦しい姿をお見せして、申し訳ありません」
クリスティナの顔には白い布があてられ、手には包帯が巻かれている。
「皇妃様からのご招待とあって、無理をしてでも参加したかったのです」
令嬢たちは私を見て、ひそひそと話す。
「ユリアナ様はクリスティナ様が怪我をしていると知っていて、招待されたのではなくて?」
「皇帝陛下にクリスティナ様のボロボロな姿を見せてやろうと思ったのでしょうね」
――やることなすことすべて、私の印象はマイナスに働くのね。
これが【魅了】の魔法の効果である。
数人にかけるだけでも、悪意ある言葉を複数から聞いた周囲は、そうかもしれないと思い込む。
――【魅了】の魔法で、一国を混乱させるなんて、魔法の特性を理解していないとできないわ。
もちろん、【魅了】の魔法を神殿は禁じており、使える者も少ない。
神殿は人の心を操る魔法全般を禁じている。
もし、使用したとわかれば、懲罰を与える神殿からの神官が派遣され、魔力を封じられて幽閉される。
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